とりあえずやってみた

とにかくやってから、考えます

最後まで抱きしめてあげてください

 

こんにちは やぐらです

 

注:今回は多少表現のきついところが

  ありますので、ご注意ください

 

不動産営業時代に出会った

いろんな人を紹介してきましたが

ちょっとブレイクして

 

それ以前の職場にいた

楽しい人を紹介したいと思います

 

その職場は 「葬儀屋」 です。

 

正確に言えば

「葬儀屋専門の人材派遣会社」

です

 

なぜ、この仕事を選んだのかと言えば

なんといっても給料の高さです

 

ランクはA~Gまでありましたが

Aランクは、日給28000円でした

 

具体的なランクの違いは

仕事の処理能力自体は、

A~Dまでは同じくらいなのですが

(Dでも、日給16000円)

 

何の差か、といえば

派遣先からの指名の回数なんだそうで

(キャバクラみたいでしたが)

 

先方から人員の注文が入ったときに

 

指名があれば、

その人を、

 

指名がなければ、

仕事させたい内容と、 支払える料金に応じて

 

派遣会社のほうから人選する、

 

というスタイルになっておりました

 

なお D~Gランクは

(クレームや無断欠勤とかなければ)

 

単純に仕事した回数で

ランクが上がっていきます

 

一番下のGランクは 日給5500円でスタート

 

Eランクは日給12000円でしたので

 

なんとかここになるまで がんばりたいところです

 

 

 

そして 派遣初日

 

自分はA葬儀社に派遣されました

 

当日は、

向こうの社員5人と

こちらから Aランク1人と

見習いGランクの自分

ランクはちょっとわかりませんでしたが

仕事はある程度なれた風の人が、4人

 

自分への仕事の指示は 案内看板

(よく電柱とかにある  やぐら家 ⇒   みたいなやつ )

の作成でした

 

木の枠に布を張り

ピンと張って裏側を

建築用のホチキスみたいなやつで

ガシガシうっていきます

 

ほかの葬儀屋社員と

こちらのほかの派遣スタッフは

なにやら車に積み込んで

出ていってしまいました

 

ひとりぼっちになった自分は

延々看板を作っていきます

 

昼時に 葬儀社の女性の社員から

「休憩にしていいよ」

「ここでごはん食べな」

と言われたのみで

 

休憩後にまた延々看板を作っていきます

 

夕方になって

出て行った大半の人が帰ってきて

なにやら作業して1日終了でした

 

日報の書き方を教わり

葬儀社をあとにします

 

 

 

Aランクの人 (AAさんとします) から、

 

AA「ちょっとお茶飲んでいこう」

と誘われて、

いろいろ話を聞くことにしました

 

AA「やぐら君だね」

や「はい」

AA「やぐら君は、今日は完全な見習いで」

AA「給料はうちの派遣会社もち、だったんだ」

や「どういうことですか?」

AA「仕事の研修として、料金は取らないから」

AA「仕事を一通り見せてあげて」

AA「みたいなことだね」

や「そうなんですか」

 

そのあと、今日の仕事は何をしてきたか、

どういう給料システムになっているのか

というのを教えてもらいました

 

AAさんは 勤務日数を少なくしたいタイプで

日給28000円でも

月10~12勤務くらいしかしないそうで

 

AA「だって疲れちゃうでしょ」

なんだそうです

 

AA「それでなんだけど」

AA「おそらく次回からは」

AA「いろんなとこ行かされるから」

AA「ひとつだけ注意しておいてほしい」

AA「葬儀屋がある」

や「はい」

AA「Z葬儀店だ」

や「覚えました」

 

 

AA「ここは、社員はみんないい人で」

AA「缶コーヒーとかも、何本もくれる」

や「なにがまずいんですか?」

 

AA「ここは、警察と取引がある」

AA「つまり、身元不明の事故死体、とか」

AA「水死体の処理もやってる」

や「処理もするんですか?」

 

AA「解剖とかじゃないよ」

AA「基本的には納棺だね」

や「棺に入れるんでしたっけ?」

 

AA「そう」

AA「そのうち見ると思うんだけど」

AA「自然死とか病死は、」

AA「基本的にはきれいなの」

AA「血の気はさすがにないんだけど」

AA「ただ、目をつぶってるだけ」

AA「みたいなのもあるくらい」

や「はい」

 

AA「ただ、水死体とかは」

AA「1度だけ見たことがあるけど」

AA「さすがに表現できない」

や「そうなんですか」

AA「基本的に葬儀屋の社員がやるから」

AA「回ってくることはないはずだけど」

AA「ほんとのごくたまに人が足りないときに」

AA「うちにまわってくる」

や「そうなんですね」

 

AA「だから、変にビビる必要はないんだけど」

AA「かといって、なめすぎなのもだめね」

AA「そういう仕事ですよ」

AA「ということは覚えておいてほしい」

や「わかりました」

 

その後、

酒を飲みにいこうと誘われましたが

自分は、無口な人見知りなので

やんわりと断っておきました。

 

 

それから 何件か仕事をこなして

1ヶ月位したときに

ある葬儀社に派遣されました

 

こちらからは 自分とBくんです

 

Bくんは全くの初日です

 

行き先は 某公営団地です

 

葬儀社の社員2人と

自分、B君で 納棺の予定でしたが

トラブルが発生しました

 

棺が、団地の部屋の中を 通らないらしいのです

 

空の棺であれば

多少立てたりすれば

何とか部屋の中を通せたのですが

 

納棺してしまうと

棺を立てるわけにはいかないからです

 

や「どうするんですか?」

葬「んー」

 

葬儀の場所は その団地の集会所なので

とりあえず1階に 下ろせればいいのですが・・・

 

ちなみにここは 団地の13階です

 

まず、空の棺を 先に集会所へ下ろします

 

そして・・・

 

葬「よし」

葬「やぐらはエレベーターのドアを」

葬「開けっぱなしにして」

葬「誰も乗せないで待ってろ」

葬「Bは、うちらについてきて」

 

3人が部屋へ

自分は エレベーターをキープして

ドアを押さえて 待っていました

 

ただ、3人が なかなか出てきません

 

そのうち同じ階の住人から

「なんでとめてんだよ」

と、絡まれてしまったので

(エレベーター1往復分の時間は、

 出てこないだろう)

と、思って 先に行かせました

 

すぐ、ボタンを押して

また、あがってくるのを待ってましたら

3人が出てきてしまいました

 

その姿は・・・

 

毛布で何かをくるんだ 棒状のものを、

B君と葬儀屋の社員が

しっかり抱っこしています

 

葬「エレベーターはどうした?」

や「すいません」

葬「なにやってんだよ」

や「・・・」

何も言えません 自分の明らかなミスです

 

エレベーターが来るのを待つ間

3人を観察してましたが

それにしてもB君は がっしりと抱いています

 

(B君・・・

 その毛布の中身は

 あれですよねえ・・・)

 

 

待つこと30秒

今度は、途中に乗ろうとしてきた人を

何とかお断りして

1階の集会所へ到着

 

葬儀予定の集会所で

(祭壇はセッティング済)

無事、納棺を済ませました

 

葬儀屋の社員からは

その後は 特に怒られはしませんでしたが

 

葬「彼をフォローしておいてね」

や「はい」

 

とだけ言われて

その日の作業は終了です

 

 

帰り道 B君は放心状態です

 

や「落ち着いた?」

B「いやー、遺体を抱くって」

B「初めてですよ」

や「おれは、やったことないよ」

B「うそでしょ」

や「いい経験したね」

や「普通じゃできないよ」

B「いやー」

その後は 「いやー」

しか言わなくなってしまいました

 

自分はそのときまでに

ご遺体はいくつか見てるので

なんとか慣れてきたころですが

 

B君は全くの初日で

大変だったと思います

 

や「おつかれ」

や「明日、ちゃんと来いよ」

B「いやー」

 

まあ、予想はしていましたが

B君は、その日のみで

派遣会社のほうはやめてしまったと

後で聞きました

 

それにしても

毛布を2重にしたくらいだと

中の感触はわかるかなあ・・・

どうだろう?

まあ、

今回の話は

面白い人ではないような気もしますが

B君はこの日のことは

一生忘れないのはずです

 

自分もこのとおり

覚えています

 

葬儀屋の話は

とりあえず こんなところで

 

なぜ、急に 葬儀屋の話になったかというと

 

「今夜・・・・・・」

「だれかが・・・・」

「○ぬ・・・・・・」

 

からです

 

次回はまた

不動産時代のことにします

では、また