チョコレートの世界にハマることにしてみた。
(第4回)
前回、カカオ豆が工場に入荷してから、チョコレートになるまでの過程を説明しました。
こうしてみるとチョコレートの製造は、なかなか大変なものがあります。
そこで、これから引き続き「チョコレート検定」を勉強していくために、一度、基本用語を整理してみたいと思います。
一番混乱しがちなところは、カカオ豆の呼び方が、製造過程によって変わっていくところではないかと思います。
そこで、各工程でカカオ豆を加工したものや、分離させたものを再度確認してみましょう。
輸入前のカカオ豆に関する用語
まず、工場にカカオ豆が輸入される前、原産地で登場する用語です。
・カカオの種
発酵、乾燥させたあとのモノを「カカオ豆」と呼ぶことにして、その作業後の状態のものと区別するため、作業前のモノは「カカオの種」と呼ぶことにします。
この状態の「種」を土に植えると、そのうち生えてきます。
・カカオポッド
カカオの実のこと
・カカオパルプ
カカオポッドを割った時、カカオの種を覆っている白い果肉のこと
・カカオ豆
→ カカオの種をカカオパルプごと取り出し、発酵、乾燥させたもの
ここまでが、原産地での工程になります。
チョコレート製造側の工程での用語
・カカオシェル
カカオ豆の皮のこと
・カカオジャーム
カカオ豆の胚芽のこと
・カカオニブ
カカオ豆の胚乳のこと
よって、算数風にいうと、
カカオ豆
=カカオシェル + カカオジャーム + カカオニブ
となります。
これらの一般的な比率は
カカオシェル:カカオジャーム:カカオニブ
=(およそ)12%:1%:87%
となっております。
・カカオマス、カカオリカー
カカオニブには約55%の脂肪分(ココアバター)があるため、細かくすりつぶすと液状になります。
この、すりつぶしたものの状態により、呼び方が変わり
① 「カカオリカー」
そのまま、ペースト状のもの。
② 「カカオマス」
冷却、固化したもの。
となります。
・ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー
「ココアバター」
カカオニブに含まれる脂肪分のこと
「ココアケーキ」
カカオリカーをプレスして、ココアバターを除いたもの
「ココアパウダー」
ココアケーキを細かく粉砕したもの
これも算数風にいうと
カカオリカー
=ココアケーキ + ココアバター
となります。
「カカオ」と「ココア」の違い
まず「カカオ」と「ココア」の違いです。
一般的には、
「カカオ」は植物名
「ココア」は(加工後の)食品名
とされています。
加工の度合い、ということで分ければ、
「カカオ」と
「チョコ」「ココア」
という分け方になるでしょう。
さらにややこしくなりますが、
商品で「カカオパウダー」と「ココアパウダー」の両方があります。
これも加工の度合いの違いで分けられます。
「カカオパウダー」は、カカオ豆を焙煎もせずに、粉末状にしたもの。
「ココアパウダー」は、焙煎以下、さまざまな工程を経て出来たもの。
となります。
「チョコ」と「ココア」の違い
明らかに違うようですが、両方とも、元は「カカオマス」から作れられたものです。
「カカオマス」に「ココアバター」とその他の原料(砂糖など)を足すと「チョコレート」になります。
まとめ
名前がいろいろ似てるのでややこしくなりがちですが、「カカオ」と「チョコ・ココア」グループに分けておくと、理解しやすいのではないかと思います。
今回は、このあたりを中心に解説してみました。
次回以降、またチョコレート検定用のお話をしていきます。
ありがとうございました。