とりあえずやってみた

とにかくやってから、考えます

「喫茶店で契約してる人」を久しぶりに見て、テンションが上がった話

こんにちは やぐらです。

 

今日、ほぼ20年ぶりに見かけてしまいました。

 

「喫茶店で何かを契約している人」です。

 

厳密に言うと、多少違うところはありますが、

(場所は、スーパーのイートインコーナー)

(そばで見てたわけではないので、実際に契約しているかは不明)

場所に不釣り合いな大きい声のコワモテの男性と、ちょっとおどおど気味の初老の男性が、それほど大きくないテーブルでなにやら書類を広げていたので、『多分そうだろう』ということで話を進めていきます。

(違ってたらすまん)

 

以前不動産営業にいた話は何度かしておりますが、

 

gogojuggler1969.hatenablog.com

 

 

gogojuggler1969.hatenablog.com

 

この「喫茶店で契約する」というのは、不動産業界では「絶対にやってはいけない」こととなっています。

 

なぜかといえば、

クーリングオフの対象になるから」

です。

 

「無条件」解約の理由にされるからですね。

 

不動産の契約の場合、

「手付放棄」というのがあるため、「解約」自体は、会社にとって痛いことではありますが、

「解約するかわりに手付の返還を求めない」

ので、会社にはいくらかのお金は残ります。

 

(『手付』という仕組みは、不動産含む契約全般で適用される)

 

「無条件」解約というのは、契約した側から

「やっぱ、や~めた。お金も返してね」

ということです。

 

これは、法律上そうなっているので、よほどのブラック会社でない限り、解約ができてお金も返ってくるはずです。

(自分のいた会社は、解約した客に返金を渋っていたため、4ヶ月間の営業停止をくらってしまった・・・(以下、自粛))

 

不動産契約の場合、契約時にはいろいろ規制がありまして、契約する場所は、

 

契約者の自宅、

販売会社の事務所内、

モデルルームとか予め届け出たところ

(モデルルーム内にその旨記したものが貼ってあるはず)

 

 

が「クーリングオフの対象外」の場所、になっています。

 

法律に違反していなければ、上記の場所で契約すると、契約した側からの無条件解約はできず「手付放棄」しないといけなくなります。

 

「喫茶店での契約」自体は、できなくはないのですが、不動産業界ではまずやらないはずです。

 

自分がいたところもなかなかの会社でしたが、さすがに「喫茶店での契約」はやりませんでした。

 

(そのかわり、契約したのが午前3時にお客さんの自宅で、というのは何回もある)

 

 

「喫茶店での契約」で多いのは、

「保険」

「英会話」

「着物」

「その他不釣り合いに高額な物品」

あたりですね。

 

最後のは、「絵」「骨董品」「マルチっぽいやつ」なんかです。

 

特に今の時期「4月の中旬ころ」というのは、地方から来た「女子学生」がつかまりやすい気がします。

(東京でのお話)

自分が不動産の会社にいたとき、ある日会社の仲間とお茶を飲んでいたいたら、それっぽい営業風の男性と、20才前後の女性がテーブルに書類を広げてなにやら話し込んでいました。

 

自分が相方に無言でそのテーブルの方を指差し、目で(やってるよ)という雰囲気をだしてみました。

 

そうすると、相方は(席を移動しよう)という素振りを見せて、その営業マンから見える位置に陣取りました。

 

そして、話し始めたことは・・・

 

相方「こないだ契約した客さ~」

やぐら「うん」

相「契約してもいいってなったんだけど」

や「うん」

相「ちょっと自己資金が足りない、ってなったわけよ」

や「よくあるね」

相「で、いろいろ調べたら結構高額な生命保険入っていたわけよ」

や「あ~、それはラッキーだね」

相「でしょ?聞くと月3万とか払ってるのよ」

や「月3万だったら、ローン増額できるねえ」

相「速攻解約させたよね」

や「保険屋飛んできたでしょ?」

相「うん、飛んできた」

や「喫茶店で契約とかしてたら、簡単に解約できるもんね」

 

それほど大きくない声ですが、隣の席くらいには確実に聞こえる音量で話していきます。

相「こっちは法律違反してるわけじゃないしねえ」

や「生保は、セットで付いてるから、客は特に損はないからね~」

(=団体信用生命保険のこと。住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済される保障制度。ほぼ強制なので「死んだらローンだけ残る」ということはない)

 

このあたりで、隣の営業マンのトーンに変化があったように感じられました。

おそらく「耳ダンボ」でこちらの声を拾っていたはずです。

 

や「そういえばさあ~、新しく営業に来た女の子いるじゃん?」

相「A子ちゃんでしょ?」

や「あの子大学生時代に100万円の着物買わされてたらしいよ」

相「そうなの?B子ちゃんもだよね」

や「えっ?そうなんだ」

相「営業マンがやってきて、断りきれなくて買っちゃったらしいよ」

や「クーリングオフすりゃいいだけじゃないの?」

相「今だとそう言えるけど、学生時代は知らなかったらしいよ」

や「そうなんだねえ~」

相「欲しくないものは、きっぱり断らなきゃだめよ」

 

このあたりで、女子学生のテンションが明らかに下がっているのが、わかりました。

それに比例して営業マンの焦り、いらだちを感じるようになります。

 

や「でもさ、たまに思うんだけど」

相「うん」

や「営業って基本的に『むりやり売りつけてなんぼ』みたいなとこあるじゃん」

相「まあねえ。でもあんまり真面目に考えると何も売れなくなるよ」

や「うーん。『あなたと一生の付き合いになります』って言ったって、実際はそんなこと無理じゃない?」

相「自分が会社やめたら、どうしてもそうなるね」

や「いまいち自分の成績があがらないのは、そのへんだと思うんだよね」

相「そんなこと思ってるうちは、まず無理だね。C課長なんか今月の営業方針とかに『一人一殺の精神で客に向かっていく』とか書いてあるからね」

や「だから、いつも成績いいんだね、あの人」

相「そういうふうにしても、意外とクレームとかこないからね。この感覚がわかれば成績は伸びるっておれも言われたよ」

や「そうなるとおれは『まだまだ』だねえ。客が嫌そうな顔してると自分が悪いことしてるようになるよ」

相「客の顔は『じゃがいもだと思え』って言ってたぜ」

 

おそらく、自分たちの会話はすべて聞いているはずなので、隣の営業マンの言うこともトーンが下がっているはずです。

 

 

 

や「そういえば昔さあ」

相「うん」

や「大学を受験しに来たときに」

相「うん」

や「『ああ受験生のかた、こちらに名前と住所を記入してください』って言われたことがあって」

相「なんなのそれ?」

や「大学関係の人かと思って、住所と名前書いちゃったんだけど」

相「で?」

や「『それと、2000円になります』って言われてさ。」

相「なんで金取るの?」

や「『合格発表が出たらいち早く連絡します』だって」

相「別に他の手段があるでしょ?」

や「そうなんだけどさ。田舎者だし『そうなんだ』って思うじゃん」

相「そんなわけねえよ」

や「それは、お前が都会育ちだからだよ」

相「地方から来た新入生はダントツでそういうのひっかかるらしいからね」

や「いまだとそう思うけど、なにも知らないじゃん」

相「女子学生とかナンパならしようかと思うけど、なんか売りつけようとはさすがに思わないなあ」

や「なんか営業として『弱いところついてるだけ』みたいな感じがするしね」

 

このへんまでくると、隣が聞いてようが聞いていまいが関係なくなってきました。

 

相「D部長も『学校の先生』と契約すると、『やってやった感』がすごいって言ってた」

や「『学校の先生』って、他の職種と比べてダントツで人のいう事聞かないからね」

相「医者の数倍めんどくさいらしいよ」

や「自分の契約者で、夫婦で奥さんが保母さんならいる」

相「保母さんと先生は相当ちがうね」

や「そうなんだね」

相「強い営業マンになりたかったら、なんかこう『知らないやつ騙す感じ』ってのは、卑怯な気がする」

や「いやー、自分のレベルだと、『えー、そんなこと初めて聞きました』って言ってくれたほうがいいなあ」

相「それだとそんな人は取り合いになるからね」

や「そうだね。この間も『例のイルカの絵』をいっぱい買ってた人がいた。」

相「先にローン組まれてるから、住宅ローンが組めないんだよね」

や「そういうことだよね・・・」

 

お互いしゃべってるうちに隣のこともあまり気にならなくなってしまっていましたが、どうも女子学生のほうが契約することをやめたようでした。

 

 

 

となりの2人が帰りそうになったので

(自分たちは何も関係ありませんよ)

という顔をしつつ

(なんか善良な市民を救った気がする感)

の表情が出ていたかもしれません。

 

ただ、相方も自分も同じことを思っていたようで

相「もし女子学生じゃなくて30代の独身男性風だったら、こっちを契約させるところなんだけどなあ」

や「そうなるよね」

 

相方も営業成績がいいのは、わかる気がします。

 

一応、基本的な法律の仕組みは

「自分から買いにいったものでなくて、契約してしまったものは、クーリングオフできる」

となっています。

 

また、「クーリングオフ」というのは、俗称で法律にある名称ではありません。

 

契約したものに関連する法律

 

(不動産:宅地建物取引業法

 ゴルフ会員権契約:ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律

 訪問販売:特定商取引に関する法律、他)

 

にそれぞれ決まりがあるので、よくわからないときは消費者センターとかに相談するのがいいでしょう。

 

これも、期限とかはいろいろなので身に覚えのある方はお早めに。

 

何かの契約をするときは、「喫茶店で」というのは、基本的には避けましょう。

 

おまけ:

 

自分が東京に来て初めてバイトの面接を受けようと思いまして、ちょっと早めに着いたので途中の某マックでコーヒーを飲んでいたら聞こえてきた会話がこちら。

男「ところでさ。もう返済期限来てるんだけど」

女「もう少し待ってよ」

男「命の次に大事が金貸してるんだけど」

女「だから、なんとかするから」

や「(東京こえー)」

パッと見、あるご職業の男性が、スナックのママ風の女性に貸した金の取り立てに来ているようでした。

こういう会話を聞いてしまったら隣の席とかに行くことはせずにとっとと、立ち去りましょう。

 

当時19才のやぐら青年の体験談でありました。

 

今回は以上です。

 

では。