とりあえずやってみた

とにかくやってから、考えます

★友よ、静かに瞑れ

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こんにちは やぐらです。

 

4年前にやめた職場で一緒だったひとと1年以上ぶりに会いました。挨拶もそこそこに即座に気になっていたことを聞いてみました。

「Kさんの具合はどうなの?」

Kさん(自分より3つ下の男性)は自分がその職場をやめたあと癌?(詳細は不明)になったらしく、精密検査をしたところ脳に腫瘍が発見されて、余命6ヶ月と診断された、と聞きました。それが3年前の秋頃です。その後放射線治療が奇跡的にうまくいったらしく脳の腫瘍はほぼ消えた、という続報を聞いていました。

今回会った人と前回会ったときには「Kさんはとりあえずすぐ死にそう、ということではないらしい」ということだったので、一安心はしていました。しかし、癌から脳に転移したとするなら、たとえ一時的に治ったとしてもいい方向には行かない気がしていたからです。それは、自分の父親も癌から脳に転移し、亡くなったのを知っているからです。

 

「Kさんは去年のゴールデンウィークのあたりに亡くなったよ」

「・・・」

 

回復が奇跡的なこともあり、万が一でも生きるのぞみがあれば・・・と思っていましたが・・・

 

これを聞いたのは今日の午前中のこと。

仕事は一応やるべきことはやってきましたが、なんとなく上の空でありました。

 

(今日はKさんを追悼しないと・・・)

 

 

 

Kさんとはよく話をしましたが、Kさんから見て自分は第2グループのような存在でした。自分では、もう40代後半なのに、仲間内でつるむのもどうなの?という感覚があり、Kさんのことは嫌いということは決してありませんが、べったり、と表現されるようなことは避けようと思っていました。それをKさんは感じていたかどうかは知りません。ただ、仲が悪くないとはいえ、お互いの連絡先とかLINE交換とかはしていませんでした。

 

自分が前の職場をやめたあとのある日、行きつけのガラガラのパチンコ店に行くとKさんがいました。

 

や「おー久しぶり」

K「もしかしたらいるんじゃないかと思ったけど、ほんとにいたよ」

 

彼はマイジャグラーを打っていました。

 

K「どうなの調子は?」

や「今年馬連で8万ってのをとったよ」

K「おー。80倍を1000円とかで?」

や「いや、798倍を100円で」

K「それはやるねえ」

 

自分がその職場をやめたとき、ほとんどの人に挨拶できませんでした。その職場の上司と喧嘩をし、気に食わないやつにはさんざん罵声を浴びせるとか、とにかく感情を抑えられない状態でした。おそらくその職場の人の99%から嫌われていたはずです。なにかいいたそうなやつには、「なんか文句あるなら俺より仕事してみろよ」と言っていました。仕事に関してはそのくらい自信があったからです。ただ、このやり方は当然殆どの人から拒絶されていた、とあとから聞きました。

 

K「しかし、競馬はあたらないねえ」

や「相変わらず3連単10点とかでしょう」

K「そう。3連単6点とかね。あたらないねえ」

や「相変わらずだねえ」

 

彼の競馬の買い方はとにかくハイリスク・ハイリターンなのです。

3連単5点だけ買って50万をとったこともあります。ただその年に3連単をとったのがそれだけだった、という噂も・・・

 

K「ところで、今仕事何してるの?」

や「まあ、ぼちぼちですよ。」

K「また、暴れてるの?」

や「いや、とてもおとなしいですよ」

 

彼と仲良くしてる人たちは自分のことを嫌いなはずです。自分は何度もその人達とぶつかってきたからです。それを知りつつもKさんは自分のことを悪くいうとか、皮肉みたいな言い方で批判してくるとか、そういうことをしない人でした。

 

台の上には2箱満タンのメダルがあります。

や「ところで、いくら使ったの?」

K「5000円」

や「じゃー+2万くらいだね」

 

ここでGOGOランプがペカりました。

 

K「そろそろ帰るからこれやっていいよ」

や「えっ?BIGだったら5000円だよ」

K「いいよ。おごるよ」

や「そう?では、遠慮なく」

 

Kさんはドル箱2箱持ってカウンターへいってしまいました。

 

自分はその台を打つと7が揃いました。続けて打っているとKさんが戻ってきました。

 

K「+2万だったよ」

や「よかったね」

K「じゃ、元気で」

や「また、いつか」

 

これが、約3年半前のこと。「また、いつか」は永遠になくなってしまいました。

 

 

今年に入ってからスロは打つまい、と決めていました。特に理由はなく、なんとなくです。強いて言えば勝っても負けても時間がかかるので、お金よりも時間の方を大事にしたいなあ、というくらいのものです。

ただ、今日はKさんが亡くなったことを知ってから、なんとなく「マイジャグラーを打たなければ」と思い始めていました。Kさんが亡くなって何ヶ月もたつし、自分がたまたま今日知ったというだけでなんの関連もないのですが、最後にKさんと関わったのがマイジャグラーなので、彼に恩返しをしなければ、と勝手な解釈をしたのです。

 

仕事帰りにパチンコ店によりマイジャグラーを打ちました。

結論から言うと+2万でした。何の因果か、ただのこじつけか、あの日のKさんの勝ち額と同じになりました。

 

連絡先も交換していない、たまたま同じ職場にいただけだとしても、多少仲良くさせていただいたからには、なにかしらの感謝の念は示したいところですが、自分の中で処理させていただくとします。

Kさん、安らかに。

 

ここ最近、ディープインパクトとかウォッカとかキングカメハメハとかが亡くなりました。Kさんはあちらの世界でも競馬をやっているのでしょうか?かなりの「穴党」でしたから、ディープとか絶対買わないんでしょうね。毎週月曜日に文句やら愚痴やら聞くのが鬱陶しくも楽しみではありました。そんな競馬仲間はあちらでもきっといるのでしょう。

 

Kさん。ありがとう、そしてさようなら。いつか自分がそちらに行く日まで。