とりあえずやってみた

とにかくやってから、考えます

他人の心の中よりも、自分の心の中を考えたほうが確実である。

こんにちは、やぐらです。

 

最近、気になったタイトルの本を手当たり次第に読んでおりますが、特に気になってるのは、発想法とかモノの見方みたいなことです。

 

それで読んだのがこちら

 

 

マーケティング関係の本を読んでいると必ず出てくる、「ペルソナ」とか「読み手、買う人の気持ち」とか、この辺のことがどうも苦手で、「他人は、所詮他人じゃね?」と、思考停止に陥りました。

 

この本を読んでみようと思ったことは、今回の記事のタイトルのとおり「自分の方を基準に考える」方がわかりやすいのではないかと思ったわけです。

 

(記事のタイトルは、デカルトの「我思う、故に我あり」っぽいです。しかし、正直、哲学的な意味はさっぱりわかっていません。)

 

 

ちょっと難しくなりますが続けます。

 

人間の思考方法は2種類あって

「直観補強型思考」

「直観検証型思考」

だそうです。

 

大雑把にいいますと

 

「直観補強型思考」は、自分の考えたことを、他人の意見、資料を調べる、本を読む、とか自分の考えを「補強」していること。

自分を出発点として自分の外部に出ていくこと。

 

「直観検証型思考」は、自分がなぜそのような直観を持つのか検証し、自分に問い直す考え方。

自分を出発点として、自分の内部に入ってくような考え方。

 

となります。

 

(この書物のなかで紹介されている本は、さらに難しくなるので、興味のある方は読んでみてください)

(自分は読んでませんが)

 

はじめての哲学史―強く深く考えるために (有斐閣アルマ)

はじめての哲学史―強く深く考えるために (有斐閣アルマ)

 

 

 

 

 

これが現象学だ (講談社現代新書)

これが現象学だ (講談社現代新書)

 

 

で、強引ですが、自分くらいの人間にもわかりやすい説明をしていきますと、

「結局のところなんでも問い直せる」

ということです。

 

最近、起こった個人的な例ですが、「あるもの(というかサービス?)」に十数万払いました。

もちろん、このサービスを受けることから得られる結果、恩恵的なものは払った金額以上になると予想されました。

 

ところが、そのサービスが謳い文句にしていたことが、ほとんど実行されずに、自分としては、「遅れることもあるだろう」と、数回催促してみましたが、相手の方から、「不信感を持たれていることは耐えられない」と受け取られまして、解約されて全額返金されてきました。

 

お金が戻ってきたのはいいとして、「このサービスを信用した理由」「いくつかある同様の他業者の中から、このサービスを選んだ理由」「申込みを思いたった要因」など、自分に問い直すことはたくさんありそうです。

ただし、一応お金は戻ってきたので、経緯は多言しないことにします。

(ホントは注意喚起の意味も込めて言いたくてしょうがない)

 

ブログを書くのに、スピードも大事ですが、たまには、いろんなことをじっくり考えてみてもいいかもしれません。

 

では、また。

 

 

 

 

 

美味しいチョコのために、ココアバターの「化学的性質」を知ろう。

チョコレートの世界にハマることにしてみた。 (第7回)  

ココアバターの「化学的性質」

前回の例をもう一度。

原材料について、前回は「カカオマス」でしたが、今回は「ココアバター」のお話です。

もう一度「カカオマス」の工程のおさらいです。

カカオ豆をローストして、カカオニブを取り出し、そのカカオニブをすりつぶしたものが「カカオマス」になります。

このとき「カカオマス」はペースト状になりますが、これはカカオ豆に含まれている油脂である「ココアバター」が出てくるためです。

「ごま」をすりつぶすと「ごま油」が出てくるのと同じ理屈です。

この「ココアバター」はカカオニブに約55%含まれています。  

 

この「カカオバター」の「化学的性質」を調べてみましょう。  

まず、「カカオバター」は、常温では固体、です。

これが25℃くらいから急速に溶け始め、32~33℃近辺で完全に溶けて液体になります。 (融点は33.8℃)  

 

カカオバター」は、溶け方が「徐々に」ではなく「一気に」という性質があるので、口の中に入れたときに体温(約36℃)で、急速に固体から液体になるわけです。

これが「チョコレート」の口溶けの理由になります。

 

カカオバター」のSFC曲線

油脂が温度上昇によって固体から液体に変化していく様子を表した曲線のことを、SFC(Solid Fat Content)曲線といいます。

 

SFC 0%   完全な液体

SFC 50%  液体と固体が半々

SFC 100% 完全な固体

 

を表しています。

(引用:チョコレートの物理学)  

 

カカオバター」が「バター」と比べても液体の割合が25℃あたりから「一気に」増えているのがわかるとおもいます。

この「体温より少し低い温度で溶ける」という微妙なところが、「ココアバター」の魅力となっています。  

 

ココアバターの温度と結晶の関係

ココアバター」をさらに「化学」していきます。  

通常、油脂は融点に応じて結晶化していき、複数の型をとります。

これを「多形現象」といいます。  

 

ココアバター」も多形現象をとり、6種類の結晶型があります。  

(型)-(融点℃)-(艶)-(備考)

Ⅰ型 - 17.3 - 悪い - 不安定結晶

Ⅱ型 - 23.3 - 悪い - 不安定結晶

Ⅲ型 - 25.5 - 悪い - 不安定結晶

Ⅳ型 - 27.5 - 悪い - 不安定結晶

Ⅴ型 - 33.8 - よい - 安定結晶(製品)

Ⅵ型 - 36.3 -     -    -ブルーム(*)発生

(*)ブルームとは、チョコレートの表面が変質し、白く固まった状態のこと  

 

チョコレートに適した多形はⅤ型のみで、そのための操作としてテンパリング(温度調整)が必要になります。  

 

テンパリングはとっても微妙な作業

テンパリングは、「難しい」というイメージがあるようです。

ただ、テンパリングはとっても重要な手順でして、テンパリングがうまくいっていないチョコレートの特徴は、

・艶がない

・固まりにくく型から剥離しにくい

・口溶けが悪い

・パキンと割れない(「スナップ性が悪い」という)

・ブルームが発生する となります。  

 

理由は、先程の「Ⅴ型」の結晶でないから、と考えられています。

逆の言い方をすると、テンパリングがうまくいっていないと「Ⅰ~Ⅳ、Ⅵ型の結晶になる」といえます。  

 

基本的なテンパリングの手順は、

 

1.約40~55℃まで温度を上げて溶かす。

2.約26~28℃まで下げる。

3.約30~32℃まで上げる。

4.チョコレートを冷やして固める。

 

となります。

 

上記の通り「ココアバター」の融点が6通りあるので、

 

手順1ですべて溶かし、

 

手順2で「Ⅰ~Ⅲ型」が固まらない温度で「Ⅳ型」を結晶化させて、

 

手順3で再度加熱することにより「Ⅳ型」を溶かすと「Ⅴ型」の種結晶が生ずる。

 

手順4でこの状態から冷やすと、全体が「Ⅴ型」にくっつくようになる

 

という理屈になります。

 

(ただし、学会レベルでは、この結晶化の細かい仕組みには、諸説ある)  

 

テンパリングの難しさは、この理屈と温度管理です。

 

 

基本的な温度の時点で多少の幅があるのに、チョコの種類によって、さらに1~2℃温度の違いがあることが、テンパリングの難しさを表しています。  

 

さらに、テンパリングは「撹拌」(へらなどでかき混ぜること)という作業が必要です。

大学などの研究結果としては、『「テンパリング」だけでは、「Ⅴ型」の結晶化は遅い』とされていて、撹拌操作(「せん断応力の印加」という)が、「Ⅴ型」結晶化を早める、となっています。  

 

参照:

せん断力・テンパリングの同時印加条件におけるチョコレートの結晶化過程のその場観察

チョコレートのおいしい物理学  

 

以前記事にも書きましたが チョコレート作りは、実際には相当めんどくさい作業の連続なんですね。

 

「手作りの美味しいチョコ」が作れる人は、素直に尊敬しましょう。  

 

チョコレート検定過去問

では、今回の記事に関係する過去問です。  

 

(2016年)

問043

テンパリングとはどんな作業?

 

1.型に充填する作業

2.温度調節する作業

3.熟成する作業

4.粒子を細かくする作業

 

問044

カカオ豆に含まれている油脂の名称は?

 

1.ココアバター

2.シアバター

3.乳脂

4.パーム油

 

問045

ココアバターの融点は?

 

1.28.8℃

2.30.8℃

3.33.8℃

4.35.8℃

 

問046

ココアバターには6種類の結晶形がある。艶が良く、製品チョコレートに適した型は?

1.Ⅴ型

2.Ⅵ型

3.Ⅳ型

4.Ⅰ型  

 

解説は記事を参照してください。

 

問043 - 2

問044 - 1

問045 - 3

問046 - 1  

 

今回は以上です。

ありがとうございました。  

 

「ダークチョコレート」にあって、「ホワイトチョコレート」にないものとは?

 

 

チョコレートの世界にハマることにしてみた。

(第6回)  

チョコレートの原材料は何?

  今回は、チョコレートの「原材料の配合」のお話です。  

 

早速ですが、チョコレートの「原材料」は、何でしょう?  

正解は、「カカオマス」「ココアパウダー」「ココアバター」「砂糖」「その他」になります。  

 

「カカオ豆」や「カカオ」では、ありません。

 

  上記は、明治の某チョコレート製品ですが、原材料は「カカオマス」「ココアパウダー」「ココアバター」「その他」となっております。

この製品の後ろにある表示は、チョコに限らず、ほぼどの食品にもあるはずです。

ここの表示は、「食品表示法」のような法律とか、いろいろな決まりごとがありまして、製品の中身を正しく表示しないといけないことになっています。

なので、食べたことのない食品でも、裏の表示である程度味の予想ができます。  

 

チョコレートの決まりごと

チョコレートは原材料の配合により3つに分類されます。

 

ダークチョコレート (ビターチョコレート)

カカオマス ・砂糖 ・ココアバター (乳製品は基本的に無し)

 

ミルクチョコレート

カカオマス ・砂糖 ・ココアバター ・乳製品(粉乳)

 

ホワイトチョコレート

カカオマスは無し) ・砂糖 ・ココアバター ・乳製品(粉乳)  

 

となっています。

 

ちょっとイメージと違いそうなのが、「ダークチョコレート」に入っていないものは「乳製品(粉乳)」であって、「砂糖」ではありません。

 

これを前提に今回の記事のタイトルにもしましたが、「ダークチョコレート(ビターチョコレート)」にあって「ホワイトチョコレート」にないものは、 カカオマス となります。  

ホワイトチョコレートは「カカオマス」がないので、「ココアバター」の白さ(淡い黄色)が基本になるのです。

そうなると「カカオマス」がない「ホワイトチョコレート」はチョコレートなのか? という疑問がありますが、カカオ豆がもとになる「ココアバター」を原料としているので、チョコレートとして問題ありません。

 

「カカオ分〇〇%」の表示の真実

最近、多く販売されるようになってきたのは、「カカオ分〇〇%」という表示の製品です。

 

数字が大きいものだと、「99%」まであります。

 

 

【VIVANI ( ヴィヴァーニ )】  オーガニックエキストラダークチョコレート 【カカオ99%】 80g・再開、パッケージ変更  

 

「カカオ『分』〇〇%」は、正確に言うと、「カカオ由来の成分の割合」のことです。

カカオの粉(パウダー)がたくさん入っているようなイメージになりますが、ちょっと違います。  

例として、最初の方に挙げたこの製品は、「カカオ『分』72%」とあります。

 

  カカオ「」なので、「カカオマス」「ココアパウダー」「ココアバター」の合計が72%ということになります。

(カカオ分以外の砂糖などが28%ということ)

 

ただし、「カカオマス」「ココアパウダー」「ココアバター」のそれぞれの割合は、書いていないので、この配合はある意味「企業秘密」であり、「その製品の個性」となります。

 

このことから、単純に「カカオ分〇〇%」が同じでも、製品が違うとカカオ分のそれぞれの割合が違うので、味わいや風味が同じとは限りません。

 

実際に食べるときは、何種類か同時に食べてみるといいかもしれません。  

 

 

チョコレート検定の過去問

今回の記事に関する過去問です。  

(2016年)

問038

カカオ豆から種皮を取り除いた胚乳部をすりつぶし、ドロドロのペースト状にしたものを何というか?

1.カカオニブ

2.ココアバター

3.カカオマス

4.ショコラトル

 

問039

一般的にココアバター、砂糖、乳製品を配合して作られ、カカオマスを含まないチョコレートは?

1.ダークチョコレート

2.スィートチョコレート

3.ホワイトチョコレート

4.ミルクチョコレート  

 

問051

ミルクチョコレートの主原料として当てはまらないものは?

1.カカオマス

2.パルプ

3.砂糖

4.ココアバター  

 

解答は記事を参照してください。  

 

今回は以上です。  

ありがとうございました。  

 

 

 

チョコレートの個性は、カカオの個性でもある。

チョコレートの世界にハマることにしてみた

(第5回)

 

カカオ豆の個性とは?

チョコレートの個性は、カカオ豆の個性に影響されます。

そして、カカオ豆の個性は、生産地、品種ごとに微妙に違います。

そこで、主な生産地と品種を調べてみましょう。

 

 

生産地

カカオが育つ条件

・高温多湿の熱帯でしか育たない

・赤道を挟んで北緯20度から南緯20度まで

・高度30~300m

・年間平均気温が約27度

・気温差が小さいこと

・年間降雨量1000mm以上

となっております。

 

 

条件に合う地域

上記の条件にある地域は「カカオベルト」と呼ばれます。

このカカオベルトに該当する地域は

中南米

・東南アジア

・西アフリカ

になります。

 

生産量

・約70%はアフリカ地域

中南米はそれほど多くない

・生産国は40カ国以上あるが、主要7カ国で総生産量の約89%を占める

・生産量はコートジボワールが抜きん出ている

となります。

 

日本の輸入

チョコレートのCMの影響もありますが、チョコやカカオのイメージに合う国といえば「ガーナ」です。

実際に、日本のカカオ豆輸入量はガーナ産が約70%です。

輸入量が多い理由として、ガーナ産は品質が安定しているといわれています。

また、ガーナ産のカカオ豆は、日本の菓子メーカーのチョコレートのテイスティングの基準となっています。

 

 

品種

カカオの品種は主に3種類。

 

クリオロ種

「クリオロ」

スペイン語で「自国のもの」「その土地生まれ」という意味

 

原産地

南米、アマゾン川上流地域

 

栽培地

ベネズエラ、メキシコなどのごく僅かな地域

 

歴史

中米地域での栽培の記録有り。

アステカの皇帝モンテスマが飲んだものは、このカカオで作ったショコラトルといわれる

 

また、病害に対する抵抗力が非常に弱いため、栽培が困難で絶滅の危機に貧していて、「幻のカカオ」と呼ばれています。

 

豆の特徴

形:細長くふっくら

色:生豆は白~黄紫色

味:苦味が少なくマイルド

香り:独特でフレーバービーンズ(後述)としても珍重

 

フォラステロ種

「フォラステロ」

スペイン語で「よそ者の土地」「よそ者」

 

原産地

アマゾン川上流地域、ベネズエラのオノリコ川流域

 

栽培地

ブラジル、西アフリカ、など広く栽培

 

栽培しやすい品種

生長が早く、病気や害虫への抵抗力kが強い

 

生産量

世界のカカオ生産量の80~90%で、最も重要な品種

 

味、風味

チョコレートらしい苦味、カカオ感

 

派生種

ナシオナル種(アリバ種)

 

豆の特徴

形:丸くてやや小粒

色:生豆は濃紫色

味:苦味と渋みが強い

香り:刺激的

 

トリニタリオ種

原産地

トリニダート島

 

栽培地

中米、スリランカパプアニューギニア

 

栽培しやすく良質

クリオロ種とフォラステロ酒の自然交配で出来た品種で、両者の中間的な性質を持っている

 

生産量

世界生産量の10~15%

 

豆の特徴

形:さまざま

味:さまざま

香り:さまざま

 

以上、カカオの基本3種類の主な特徴になります。

 

 

役割

また、チョコレートなどの製品のオリジナリティを出すために「カカオ豆の個性を利用した役割」というのがあります

 

ベースビーン

べースやブレンドに欠かせない豆のこと。

主にフォラステロ系が使われます。

 

フレーバービーン

加えることで風味や香りをプラスする豆のこと

主にクリオロ系、トリニタリオ系が使われます。

 

カカオの産地×品種

主要な生産地と品種を紹介しました。

しかし、同じ品種でも、生産地ごとにカカオの栽培に関する状況が微妙に違うため、例えば、ガーナのカカオを東南アジアで栽培しても、その品質は違ったものになります。

通常は、カカオ豆の品質を安定させるため、異なる産地のカカオ豆をブレンドしていますが、最近では、それぞれのカカオ豆の個性を活かすために、単一の地域や特定の地域のカカオ豆から製造することも増えてきました。

このことを「シングルビーン」といい、単一の国のカカオ豆から製造するチョコは「シングルオリジン」といいます。

 

 

産地国ごとのカカオ豆の特徴

 

日本が輸入しているカカオ豆の生産国トップ4は、ガーナ、コートジボワールベネズエラエクアドルです。

それぞれの国の特徴です。

 

ガーナ

・地域:西アフリカ

・生産量は世界2位

・日本の輸入量の約70%

 

おもな生産している品種:

フォラステロ種

 

特徴:

・味のバランスが良い(酸味、苦味、渋み)

・豊かなコク

・余韻が残る香ばしさ

・スタンダードな味わい

 

コートジボワール

・地域:西アフリカ

・生産量は世界1位

 

特徴:

・味:おとなしい苦味、やや重量感

・香り:バランスがとれている、ピーナッツのような香ばしさ、香りの起伏はとてもなだらか

、口の中に広がって消えてゆく変化

 

ベネズエラ

・地域:中南米

・クリオロ系カカオの発祥地

・クリオロ系の貴重な品種を生産している:チュアオ、チョロニ

・香り:ローストナッツのような香り、香りの起伏は穏やか、ほどよい焙煎香

 

エクアドル

・地域:中南米

・主にフォラステロ系を生産

 

・特徴:

味:酸味、苦味もあるが、香りが強いため味は控えめに感じられる

 

香り:独特、カカオ感が強い花のような香り、靴の中でぱっと広がる華やかな香り、適度な渋みが続く、ジャスミンティーを思わせる

 

色合い:ほんのり黒みを帯びた色調

 

 

また主要国以外の特徴も紹介します。

 

マダガスカル

アフリカ

フルーティーな香り

スッキリとした酸味

フルーツとの相性がよい

 

ベトナム

アジア

酸味

フルーティーな香り

スパイスの香りを連想させる

 

キューバ

中南米

軽い酸味

葉巻や樹木を思わせる香り

 

ドミニカ共和国

独特の発酵感

酸味

ほんのりスパイシー

ラム酒に負けないインパク

 

ブラジル

中南米

程よい酸味

強い苦味と渋み

濃厚な風味

 

 

以上が、カカオ豆の産地と品種の紹介でした。

 

チョコレート検定の過去問

 

(2016年)

問027 赤道を挟んで北緯20℃から南緯20度のカカオ栽培適地を何というか?

1.太平洋ベルト
2.サンベルト
3.カカオベルト
4.オリノコベルト

 

問028 世界で最も多くカカオを生産している国は?(2014/15推計)

1.ブラジル
2.ガーナ
3.コートジボアール
4.ベネズエラ

 

問030 日本に輸入されているカカオ豆の74%を占める生産国は?

1.コートジボアール
2.エクアドル
3.ガーナ
4.ベネズエラ

 

解答は、今回も記事のなかにありますよ。

 

今回は以上です。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

「チョコ」と「カカオ」と「ココア」の違い

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チョコレートの世界にハマることにしてみた。

(第4回)

 

前回、カカオ豆が工場に入荷してから、チョコレートになるまでの過程を説明しました。

こうしてみるとチョコレートの製造は、なかなか大変なものがあります。

そこで、これから引き続き「チョコレート検定」を勉強していくために、一度、基本用語を整理してみたいと思います。

 

一番混乱しがちなところは、カカオ豆の呼び方が、製造過程によって変わっていくところではないかと思います。

そこで、各工程でカカオ豆を加工したものや、分離させたものを再度確認してみましょう。

 

輸入前のカカオ豆に関する用語

 

まず、工場にカカオ豆が輸入される前、原産地で登場する用語です。

 

カカオの種

発酵、乾燥させたあとのモノを「カカオ豆」と呼ぶことにして、その作業後の状態のものと区別するため、作業前のモノは「カカオの種」と呼ぶことにします。

この状態の「種」を土に植えると、そのうち生えてきます。

 

カカオポッド

カカオの実のこと

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カカオパルプ

カカオポッドを割った時、カカオの種を覆っている白い果肉のこと

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カカオ豆

 → カカオの種をカカオパルプごと取り出し、発酵、乾燥させたもの

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ここまでが、原産地での工程になります。

 

 

チョコレート製造側の工程での用語

 

カカオシェル

 カカオ豆の皮のこと

 

 

カカオジャーム

 カカオ豆の胚芽のこと

 

カカオニブ

 カカオ豆の胚乳のこと

 

 

よって、算数風にいうと、

 

カカオ豆

=カカオシェル + カカオジャーム + カカオニブ

 

となります。 

 

これらの一般的な比率は

 

カカオシェル:カカオジャーム:カカオニブ

=(およそ)12%:1%:87%

 

となっております。

 

カカオマス、カカオリカー

カカオニブには約55%の脂肪分(ココアバター)があるため、細かくすりつぶすと液状になります。

この、すりつぶしたものの状態により、呼び方が変わり

 

① 「カカオリカー

そのまま、ペースト状のもの。

 

② 「カカオマス

冷却、固化したもの。

 

となります。

 

ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー

 

ココアバター

カカオニブに含まれる脂肪分のこと

 

「ココアケーキ」

カカオリカーをプレスして、ココアバターを除いたもの

 

 「ココアパウダー」

ココアケーキを細かく粉砕したもの

 

これも算数風にいうと

カカオリカー

=ココアケーキ + ココアバター 

 

となります。

 

「カカオ」と「ココア」の違い

まず「カカオ」と「ココア」の違いです。

 

一般的には、

「カカオ」は植物名

「ココア」は(加工後の)食品名

とされています。

 

加工の度合い、ということで分ければ、

「カカオ」と

「チョコ」「ココア」

という分け方になるでしょう。

 

さらにややこしくなりますが、

商品で「カカオパウダー」と「ココアパウダー」の両方があります。

 

これも加工の度合いの違いで分けられます。

 

 「カカオパウダー」は、カカオ豆を焙煎もせずに、粉末状にしたもの。

「ココアパウダー」は、焙煎以下、さまざまな工程を経て出来たもの。

 

となります。

 

「チョコ」と「ココア」の違い

明らかに違うようですが、両方とも、元は「カカオマス」から作れられたものです。

 

カカオマス」から「ココアバター」を抜くと「ココア」

カカオマス」に「ココアバター」とその他の原料(砂糖など)を足すと「チョコレート」になります。

 

まとめ

名前がいろいろ似てるのでややこしくなりがちですが、「カカオ」と「チョコ・ココア」グループに分けておくと、理解しやすいのではないかと思います。

 

今回は、このあたりを中心に解説してみました。

 

次回以降、またチョコレート検定用のお話をしていきます。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

おいしいチョコレートの作り方は、「まったく甘くない?」

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チョコレートの世界にハマることにしてみた。

(第3回)

 

カカオ豆がチョコレートになるまで

 原産地から出荷されたカカオ豆が、工場に入荷された後、実際のチョコレート製品になるまでの過程です。

 

原料の受け入れ


発酵、乾燥を終えたカカオ豆が生産国から船で運ばれ工場に届きます。

 

選別


悪い豆、石、砂などの異物を取り除きます。
異物を取り除いたカカオ豆は品種ごとにサイロに貯蔵され、次の工程に送られます

 

焙煎(ロースト)

概要 

ロースターという機械でローストします。
100度から140度の熱を加え、カカオ豆独特の香りと風味を引き出していきます。


カカオ豆はコーヒー豆と違い、焦げる寸前でとめなければならないため、非常に難しい作業になり、そのため、工場でどんなロースターを使っているかは企業秘密なんですね。

 

主なロースト法は2つ

 

豆ロースト法
皮を取り除かずにそのままローストします。

 

ニブロースト法
カカオ豆を粗く砕き、皮(シェル)をとりのぞいた身(カカオニブ)の状態でローストします。


分離

豆ロースト法でローストしたカカオ豆を粗く砕き、皮(シェル)と身(カカオニブ)に分離します。


この作業をウィノーイング(風選)といい、この装置をウィノワといいます。


磨砕(すりつぶし)

ウィノーイング処理で取り出されたカカオニブは、細かくすり潰され、ペースト状のカカオマスになります。


カカオニブは繊維質で非常に固く、様々な装置で粉砕していきます.


この過程で、カカオニブに含まれれるココアパウダー(油脂)の存在により、固体のカカオニブは粘度のある液体になります。


できたカカオマスはタンクに貯蔵され、チョコレートやココアの原料になります。


製品の品質により、複数のカカオマス(カカオの品質やロースト条件の違うもの)をブレンドすることもあります。


搾油(プレッシング)

プレシングによりココアケーキとココアパウダーに分けられ、ココアパウダー、ココアバター製品ができます。


混合(ミキシング)

カカオマスに砂糖、ココアバター、ミルクなどを混合し、製造するチョコレートのレシピ(配合)に応じて各原料を混ぜ合わせていきます.


微細化

複数のロールで構成された「レファイナー」という機械で生地を微細化します。


この工程によりチョコレート粒子が20ミクロン以下になります。


一般的に、人間の舌は粒子の大きさが20ミクロン以下だと、ざらつきを感じないので、この大きさに微細化することで、舌触りがなめらかなチョコレートができる、というわけなんですね。

 

レファイナー(業務用)

 

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(画像引用:ROYCEのサイトより)

 

作業中

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(画像引用:大東カカオのサイトより)

 

 

精錬(コンチング)

コンチェという機械でチョコレート生地を長時間(12~24時間くらい)練り上げていきます。

(コンチェ=撹拌)

 

某超高級チョコはこの作業を70時間やっているという噂も

(真偽は不明)

超高級チョコがなぜ「超高級」なのかといえば、「手間のかかり方」がハンパない、ということのようですね。

 

 

(コンチェ:業務用)

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(画像引用:オサ機械株式会社)

 


調温(テンパリング

ココアバターを安定した結晶にする作業です。

 

充填

デポジッターでチョコレート生地を型に流し込みます。


冷却

冷却コンベアにのせて冷やし固めます。
最初ゆっくり冷却していき、第2段階で強制冷却し、チョコレートの固化を促進していきます。


冷却の最終段階で、若干の温度上昇を行います。


温度管理をしっかりすることで、「ファットブルーム」「シュガーブルーム」(後述)を防ぐことが出来るのです。

型抜き

デモールダーという機械でチョコレートを型からはがします。


検査

人間の目で形、ツヤなどおかしなところがないかチェックします。


梱包

アルミ箔やレーベルで梱包しダンボールに詰めていきます。


出荷

チョコレートの品質を安定させるため、温度管理した倉庫で一定期間熟成させます。

 

以上の過程を経て、チョコレート製品の完成になります。

 

カカオ豆の状態から、チョコレートを作るのにはこれだけの工程があるのです。

家庭での手作りチョコもそれぞれのポイントをおさえていけば、美味しいものが出来上がりそうです。

 

さて、今回の記事に関する「チョコレート検定」の過去問です。

 

(2016年)

問040 ローストの説明として誤っているものは?

 

1.豆ロースト法とニブロースト法がある
2.コーヒー豆のようにしっかりとローストする
3.ローストによって生じる香氣成分は1000種類以上あり、相互関係については完全にわかっていない
4.100〜140℃の熱を加えてローストする

 

問047 舌でざらつきを感じない大きさは何ミクロン以下か?

1.20ミクロン以下
2.40ミクロン以下
3.60ミクロン以下
4.100ミクロン以下

 

今回の解答も記事の中にありますよ。

 

今回は以上です。

 

ありがとうございました。

 

前回の記事

 

gogojuggler1969.hatenablog.com

 

 

チョコレートは、実は「発酵食品」なのです。

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チョコレートの世界にハマることにしてみた。

(第2回)

 

 

前回の記事

 

gogojuggler1969.hatenablog.com

 

 

前回は、「チョコレートとは?」という大前提のところから始めてみました。

 

今回は、原材料のお話です。

 

チョコレートは、カカオ豆から作られます。

 

ということで、今回も「カカオって何?」という大前提のところから始めてみます。

 

カカオとは?

漢字は、「加加阿」(カカオ)と書きます。

 

そして、植物としては、

 

学名:テオブロマカカオ

(Theobroma cacao

ギリシャ語で「神 (theos)の食べ物 (broma)」を意味します。

 

分類は

バラ類 Rosids
目 : アオイ目 Malvales
科 : アオイ科 Malvaceae
属 : カカオ属 Theobroma
種 : カカオ T. cacao

(書物によっては、科 : アオギリ科というものもある)

 

「カカオ豆」と表現されますが、マメ科の植物ではありません。

 

生態

① 発芽~成木

高さ6~7m、幹の太さは、約10センチ。

苗から育てると、実がなるまで4年位かかります。

 

カカオは、直射日光を好まないため、「だれかの木の日陰」で栽培されます。

 (陰にしてくれる木を「シェイドツリー」という)

 

多いのは、バナナの木の陰、地域によってはカシューナッツの木の陰など。

 

② 開花

枝先だけでなく、幹の太いところにも花をつけ、1年中咲いています。

色は樹の種類によって、白、ピンク、バラ色など。

 

 

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③ 結実

受粉した花は、約6ヶ月後に結実します。その実は「カカオポッド」と呼ばれ、ラグビーボールのような形をしています。

半年に1回結実するので、1年に2回収穫できます。

長さ15~20cm、直径約15cm、重さは1kgになることもあります。

 

1本の樹から、年に20~30個収穫できます。

実のなり方に特徴があって、幹の太いところに直接ぶらさがっています。

 

 

 

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④ 収穫

収穫は、実(カカオポッド)を切り落として行います。

その後、実(カカオポッド)の殻を割り、中に入っているカカオ豆をパルブ(カカオ豆を覆っている白いヌルヌルした果肉)ごと取り出します。

 

 

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(画像引用:明治のサイトより)

 

⑤ 発酵

収穫したカカオポッドからカカオ豆をパルプごと取り出して、バナナの葉で覆ったり、木箱に入れて発酵させます。

 

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この過程により、カカオ豆を覆っていた白いパルプはほとんど消失し、カカオ豆が現れます。ここで、ようやくカカオ豆だけを取り出すことができるのです。

この時点のカカオ豆は、発酵による化学変化のためチョコレート色に変化し、独特の香りを放つようになります。

 

この工程があるため、チョコレートは、実は「発酵食品」なのです。

 

⑥ 乾燥

発酵後のカカオ豆は水分を多く含む(40%以上)ので、貯蔵、輸送中のカビの発生などを防ぐため、水分量7~8%くらいまで、乾燥させます。

乾燥方法は、天日乾燥がほとんどです。

 

⑦ 出荷

乾燥が終わったカカオ豆は、主に麻袋に入れられて消費国へ出荷されます。

 

ここまでが、カカオ産地国の仕事になります。

 

 

 

 

 

 

さて、毎年、各メーカーから、チョコレートの新製品が出ますが、「よくネタ切れしないな~」と思いませんか?

 

今回紹介した工程の「発酵」ですが、そのシステムは完全に解明されておらず、どの微生物が発酵に関わっているのか、よくわかっていないそうです。

 

ただ、産地によって品質が異なるのは、働いている微生物が違うから、ということになっているみたいですね。

 

まず、この発酵の段階で、そのカカオ豆の個性みたいなものが出ます。

 

明治のサイトから引用しますと、

 

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となっておりますが、「一例」とあるので、味、風味に関するところは、「ほぼ無限」と言ってもいいでしょう。

 

採用した産地国ごとのカカオ豆自体の味、風味のバランス、さらに、これに製造過程で投入される砂糖やらミルクやらの割合などを変えることによって、各メーカー各製品のオリジナルとなるわけですね。

 

その製品を食べたときには、他の製品と同じようでも、微妙に違う味、香り、風味を楽しめるようにしたいものです。

 

 

言い忘れてましたが、チョコレート検定の試験問題はすべて4択、制限時間60分で100問出題されます。

7割正解で合格。合格率は90%超です。

 

成績上位5名には、チョコレート1年分贈呈なんだとか。

成績上位5名は、おそらく満点取らないと無理でしょう。

合格は簡単そうですが、満点はかなり大変そうです。

 

最後に、この記事の目的はチョコレート検定のお勉強のためなので、今回の記事に関係あるチョコレート検定の過去問を紹介しておきます。

 

では、どうぞ

 

(2016年度)

問009 テオブロマのテオは神々、ブロマは?

1.飲み物
2.食べ物
3.栄養
4.恵み

 

問010 風に弱く日光を好まないカカオの苗木が大きくなるまでに必要になるものは?

1.パラソル
2.シェイドツリー
3.ネット
4.アグロフォレストリー

 

解答は、この記事の中にありますよ。

 

今回は以上です。

 

ありがとうございました。

 

 

(こちらはロッテ)

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